2008年夏のうた7首

頭よりはるかにデカい補虫網振り回されてカナブン一匹
ビルの上赤星ひとつ望月は笠をかぶりて蒸し暑き夜
西日浴び紫煙の先を眺めつつ今日も生きてた不思議を思ふ
自らに対する認知狂ひをり疲れを知らずひたすら眠る
疲れだと前頭葉は認むるも直ぐ義理義務が上書きせしむ
親しげな電子のカード届きたり歳をとこなる咳しつる吾
クマゼミが鳴き終わりたり強烈な西日の中にひそむ秋風


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