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そういえば

いくつか創っていた。 2009年5月20日青い空見ている僕も澄みきって鳥になりたいそう思う午後 中川公隆 に触発されて 青空に見られたるかな飛ぶ鳥のもの思ふらし羽ぞ欲しける 2009年5月5日去く人の姿かたちを重ねつつ暮 […]


飛蚊症

公園のベンチで横になりぬれば雲1つなし初夏の風吹くあを空の手前に焦点合わせれば煌めく点ぞランダムに飛ぶ煌めける光に混じる細胞のやうなものあり往にて戻りき濁りたる目にも空こそをかしけれ蒸し暑き風とろけつる脳無理矢理に前頭葉 […]


自選21首

とにかく、寝ても寝ても寝ても寝てもねても、眠くて眠くて眠くて、寝てばかり居る。幸い、念慮も企図もない。詠んだ歌を読み返して、暗くなる。心臓の上の肋間が痛い。これは、かつて、最初に就職した職場で味わったものと同じだ。明日は […]


その後

バスに乗り勝手知ったる道行けど変わらぬものを探しかねつる20年通ひし床屋久々に髭剃り頼み父の話しす仕事では細かく人に合わせしと父の噂を聞きて涙す全身をピンクで固めバス停で行き先告げし娘ぞ一人吾は多分かの父親と同世代たまら […]


48時間後

父のそば丑三時に目が覚めるい往たるかほ見しばし眠れず次々と昔のことを思ひ出し悔恨に吾押し潰さるる明け方に通夜堂抜けて逃げ去りてホテルの部屋で一人かもねむ絶え間なくマナーモードのケータイが痛む頭に責め込みにけり気がつけば1 […]


24・36時間後

のどやなか日差しの中に梅一輪知ることもなく父は往にけり障碍の足引きずりつ倒るまで自らせしむ父は往にけりすいすいと鏨走らせて寡黙なり誇りを秘めし父は往にけりイビキかき口半開き安らかないつもの寝顔で父は往にけり直接の死因欄に […]


12時間後

人体の代替パーツ丸太から削り出す腕静かに消える孫を見る前歯の抜けた笑顔でも容赦なき攻め勝負は譲らず最後まで文字読み続けたる父なりし積み重ねたる新聞の山鉛筆で書き込みをした辞書2冊拡大鏡で見てる父をり日々弱る僧帽弁にムチ打 […]


死にたくて

死を思ひ思ひ直して経回りきまだ前頭葉が静止せしむる居酒屋の大将の顔ママの顔思ひ浮かべて企図止めるなり浮かぶ顔家族仲間と指導生そは願ひのみ気配すらなしかじかんだ手を握りしめキーボードひたすら叩きインストールす吾死すと困るは […]


2008年11月20日

入退院繰り返しつつ生き延びる父に呆れつ祝ひ酒呑むただじっと服薬もせず一日を過ごす父親企図せざりしか脳内の伝達物質出にくい母遺伝なりしか吾もまた同じ入浴も片付けもせず一日を暮らす父なり吾に似てゐる悲しみは酒も煙草も消しはせ […]