高専の国語の授業を観て詠める

ビデオにて古文読み解く子らを見る常ならざるや私語の少なき
ズボン脱ぎ熱日に耐へつ黙々と課題解けしや楽しかりしや
次々と前の時間の要点を発する子らぞ主人公なり
古文読み意味ぞ知りたき子らが増ゆ鑑賞文へ一歩近づく
苦慮しつつ自分の言葉捻り出すそはすばらしき気付きつる子ら
大声を張り上げずとも子らを御す御された振りも子らの智慧なり
百倍の時間をかけて創りたる授業の意味を子らや知らなむ*


*最初は、「知りなむ(知るの連用形+完了の助動詞ぬ+推量の助動詞む)」としていた、が、「知らなむ(知るの未然形+ 終助詞なむ」に代えた。
学習者には、「裏側」を知られたくない、知らせたくない、…でも、ちょっとは知っておいて欲しいんだな〜、みたいな。


なんと、授業で、お披露目、の、メールをいただいた。以下、メールから。
電気の学生は、先生から御歌を頂いて、とても喜んでおりました。ありがとうございました。
黒板に七首書かせて頂いて、私が読み、七首目の「知りなむ」と「知らなむ」の訳の違いを助詞・助動詞のプリントを使って、確認しました。(教材にしちゃいました。)
学生に尋ねたところ、2名は「知りなむ」の方が好きだと言ってましたよ。
そして、どの歌が好きか聞いてみました。
「ズボン脱ぎ」が22名
「苦慮しつつ」が2名
「大声を」が18名
そして
「次々と」の歌に、あのOくんが元気よく一人手を挙げました。笑顔でした。
以上、ご報告とお礼を申し上げます。


あ〜、あのOくん(ちょっとした「問題」を抱えていたらしい)がね〜、そいつはよかった。それも、一人だけ、手を上げてくれたんだ〜、いいな〜、そう、君(たち)が主人公なのだよ。
授業が面白いと、人間関係も変る、という、とてもよい例だよ、な〜

Author: Kumecchi

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