寝入りばなに妙な音を聞いたり感じたりする。左隣に人が寝ていてその人が寝返りをうっているようだった。右隣にはふすまがあり、それを隔てて数人が寝返りをうっているようだった。「これは幻聴だな」と思って目をあけると、もう音はしなくなった。
あるいは、布団が引っ張られて行くのである。肩が出てしまうように感じるがきちんと首まで布団はある。二三回引っ張られたところで目を開けると、上から男が二人と髪の長い女が見下ろしていた。何か言っているのだが聞こえなかった。いわゆる金縛り状態でもあった。一度目を閉じてもう一度見ると、まだ見えた。「これは幻覚だな」と思ってから目を開けると、何もなかった。